調査概要・目次
調査テーマ
『H・Bフーズマーケティング便覧2022 No.2 -健康志向食品編-』
調査ポイント
1)健康・美容に良いというコンセプトを持つ食品を効果・効能的側面により21カテゴリーに分類
2)各21市場について、構造、特性、トレンド等について調査・分析
3)パーソナライズ化への対応状況を分析
調査対象
I.総合分析編
A.H・Bフーズの定義
B.「保健機能食品制度」とH・Bフーズの位置付け
C.健康志向食品の市場構造(マーケット分析:No.2のまとめ)

II.品目編
1.市場の位置付け
2.市場規模推移
3.パーソナル化に向けた取り組みと展望
4.成分別市場動向
5.チャネル別販売動向
6.市場占有状況
7.コンセプト別市場動向
8.特定保健用食品・機能性表示食品の市場動向
9.今後の方向性
10.主要商品リスト
市場範疇
数値は年次ベース(1月~12月)とする。また調査対象市場範疇は、国内市場を対象とする。
No.2(健康志向食品編)では健康イメージを重視した商品群(明らか食品、ドリンク類)を対象とする。

調査対象領域対象成分
1. 滋養・強壮
ビタミン、高麗人参、マカ、ローヤルゼリー、他
2. 肝機能改善
ウコン、肝臓エキス、オルニチン、カキ肉エキス、他
3. 美容効果
コラーゲン、プロテオグリカン、プラセンタ、セラミド、他
4. 整腸効果
乳酸菌、ビフィズス菌、食物繊維、アロエ、オリゴ糖、乳酸菌・ビフィズス菌複合、プルーン、他
5. ダイエット
5-a. 食事代替ダイエット
食事型カロリー調整食品(セットタイプ)
5-b. ダイエット・その他
食物繊維・マンナン、新甘味料、他
6. スポーツサポート
プロテイン、アミノ酸、他
7. 生活習慣病予防
7-a. 中性脂肪値・コレステロール値改善
難消化性デキストリン、茶カテキン、乳酸菌類、ウーロン茶重合ポリフェノール、黒酢・香醋、大豆たんぱく質、DHA・EPA、植物ステロール、中鎖脂肪酸、他
7-b. 血糖値改善
難消化性デキストリン、グァバ葉ポリフェノール、他
7-c. 高血圧予防
ゴマペプチド、GABA、α-リノレン酸、トマト酢、ラクトトリペプチド、他
7-d. 認知機能サポート
イチョウ葉、GABA、βラクトリン、他
7-e. 生活習慣病予防・その他
黒酢・香醋、乳酸菌類、もろみ酢、他
8. 抗酸化・抗加齢
カカオポリフェノール、他
9. 血行促進
生姜、モノグルコシルヘスペリジン、他
10. 免疫対策
乳酸菌類、プロポリス、他
11. 栄養バランス
栄養バランス食品
12. 骨・関節・筋肉サポート
グルコサミン、カルシウム、大豆イソフラボン、他
13. 覚醒効果
カフェイン、他
14. 貧血予防・改善
非ヘム鉄、ヘム鉄
15. 喉の不快感除去
複合、ハーブ・ミント系、メントール系
16. オーラルケア
キシリトール、クロロフィル系、ハーブ・ミント系、ユーカリ抽出物、リカルデント、フラボノ系、他
17. アイケア
ブルーベリー、ルテイン、他
18. マルチバランス
ビタミンC・B群、マルチビタミン、他
19. ホルモンバランス
大豆イソフラボン、ザクロ、他
20. ストレス緩和・睡眠サポート
GABA、乳酸菌、テアニン、他
21. グリーンチャージ
青汁、ミドリムシ(ユーグレナ)、他
調査方法
弊社専門調査員による対象先(参入企業、関連企業など)に対する直接面接取材を基本に、一部電話等のヒアリングを実施した。
調査期間
2021年9月~2021年11月
調査担当
株式会社富士経済 フードビジネスソリューション事業部
その他注記
一部品目については、必要に応じて対象領域やデータの見直しを加えている(各品目市場規模推移の項に対象領域を明記)。
本資料中の販売高は特に断りがない限り、その商品の販売者たる企業の出荷金額である。
シェア算出に際しては小数点以下2位の位において四捨五入による計算を行っている。従って、各項目のシェア合計値が100%を超過する場合、満たない場合があるが、合計値は100%と表記する。
公的機関等のデータを引用した場合は出典を明示する。出典の明示がない場合は(株)富士経済調べである。
「覚醒効果」「喉の不快感除去」訴求商品は、明らか食品分野での展開が殆どであるため、特定保健用食品を含めてNo.2で一括して取り上げる。
備考
【A H・Bフーズの定義】

1.H・Bフーズの概念と範囲
<概念>
① H・Bフーズの概念は、健康・半健康状態にある者、あるいは軽い疾病状態にある者が、健康(Health)の維持増進・回復の目的/美容(Beauty)目的で飲食する食品のことを指し、それらを「H・Bフーズ」として定義する。
② 即ち、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品及び期待されるイメージをもつ食品が対象となり、法的区分上、医薬品・医薬部外品扱いになっているものについては対象外とする。

<H・Bフーズの範囲>
※2021年版までは健康志向食品をNo.1、機能志向食品をNo.2に収載していたが、2022年版より機能志向食品をNo.1、健康志向食品をNo.2に変更した。

<H・Bフーズの定義及び対象範囲>
分野定義(H・Bフーズの範囲)掲載
サプリメント(公財)日本健康・栄養食品協会で定めるところのJHFA規格品に加え、規格外の健康食品についても違法性が明らかな成分を使用していないものについては、原則的に範疇に加えるものとする。剤形的には錠剤、粉末といった医薬品的形状のものを主な対象とする。機能志向食品編(No.1)
(シリーズサプリメント)サプリメントのうち、ビタミン・ミネラル類などのアイテムを各種取り揃えたシリーズ展開のサプリメント(剤形的には医薬品的形状が主体)を「シリーズサプリメント」と呼称する。
明らか食品法的には一般加工食品と呼称される「通常の形態をした、日常的に食べられる食品」に機能成分を添加、強化することで、商品の機能性を訴求する食品群を対象とし、従来からある一般加工食品や機能成分を添加していても、その機能性を訴求していないものは対象外とする。健康志向食品編(No.2)
ドリンク類一般加工食品のうちリキッド形状の商品を対象とし、医薬品/新・医薬部外品のドリンク剤と区分するために、本資料では「ドリンク類」と呼称する。
特定保健用食品保健機能食品制度において定められた特定の「保健用途の表示」を行うことができる食品。ただし、表示許可を取得していても、実際に表示していない商品に関しては、市場実績には加えていない。
※詳細に関しては、B「保健機能食品制度」とH・Bフーズの位置付けの項目参照。
機能志向食品編(No.1)及び健康志向食品編(No.2)
栄養機能食品保健機能食品制度において定められた特定の「栄養成分機能表示」を行うことができる食品。ただし、栄養機能食品全てがH・Bフーズとなるわけではない。
※詳細に関しては、B「保健機能食品制度」とH・Bフーズの位置付けの項目参照。
機能志向食品編(No.1)及び健康志向食品編(No.2)
機能性表示食品機能性表示食品制度において定められた、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品。ただし、機能性表示食品全てがH・Bフーズとなるわけではない。
※詳細に関しては、B「保健機能食品制度」とH・Bフーズの位置付けの項目参照。
機能志向食品編(No.1)及び健康志向食品編(No.2)
① H・Bフーズは、前頁の図のように、サプリメント及び、明らか食品、ドリンク類を対象としており、各商品領域におけるH・Bフーズの定義に関しては、上表の通りである。
② 本資料においては、H・Bフーズを「機能志向食品」(No.1掲載分)と「健康志向食品」(No.2掲載分)に区分し、それぞれ市場動向をまとめている。
③ 「機能志向食品」は、H・Bフーズのうち味覚より機能性を重視した商品設計を行い、一般用医薬品、医薬部外品との競合が予想される商品のことを指し、サプリメント(シリーズサプリメント含む)分野が対象となる。その一方「健康志向食品」は、H・Bフーズのうち機能より味覚面を重視した商品設計を行い、一般の加工食品との競合が予想される商品のことを指し、明らか食品・ドリンク類分野が対象となる。
④ 2001年よりスタートした保健機能食品制度により、食品では唯一ヘルスクレームを謳える分野として「特定保健用食品(トクホ)」と「栄養機能食品」の2カテゴリーが成立したが、本資料において、特定機能訴求の特定保健用食品に関しては、全てH・Bフーズの対象として捉えるものとするが、栄養機能食品に関しては、加工食品でないものや、栄養機能表示を行っていても商品コンセプト上、機能訴求を行っていないものについてはH・Bフーズの対象外とし、機能性訴求を行っている商品のみを対象として捉えるものとする。
※詳細に関しては B「保健機能食品制度」とH・Bフーズの位置付け の項目参照。
⑤ 法的区分上、医薬品や医薬部外品になっているものに関しては、H・Bフーズの範囲には含まず、また一般ユーザーではなく、病者のみを対象とする病者用食品に関しても、H・Bフーズの対象からは除外する。
⑥ 全ての分野においてPB(プライベートブランド)はH・Bフーズの対象からは除外する。


2.法的分類
内容\種類食品医薬品新・医薬部外品
定義食品衛生法では、薬機法に規定する医薬品及び医薬部外品以外の全ての飲食物となっており、相対的な規定となっている。一定の用法・容量の範囲で適性に使用すれば、作用が緩和で安全性が高く、大衆が直接購入し、使用して差し支えない医薬品。薬機法の医薬部外品を法的根拠とする。一般用医薬品のうち、人体に対する作用が比較的緩和で、販売業者による情報提供の努力義務を課すまでもないもの。
使用成分・規格明らかに食品とみなされ、通常摂取で安定・安全性に関して問題のない成分。並びに食品衛生法に定める食品添加物。日本薬局方外医薬品成分規格(局外規)、日本薬局方外生薬規格(局外生規)、日本薬局方による。新・医薬部外品の承認基準に基づく。
効能・効果に関する表示「保健機能食品」「病者用食品」以外は一切不可能。暗示するような広告・表現・表示も禁止。承認された効果・効能は必ず謳う。H・Bフーズと競合するビタミン剤・ドリンク剤でも医薬品のみが効果・効能を標榜できる。承認基準で定められた効果・効能のみ標榜できる。
その他健康食品に関しては、(公財)日本健康・栄養食品協会が含有成分の使用基準(配合量、1日摂取量、表示など)の自主基準を定めている。
※保健機能食品の定義などに関しては、別項目参照。
薬局・薬店、通信販売で販売可能。食品同様に一般小売店での販売が可能(通信販売、自動販売機でも可)。

3.マーケティング上の分類

一般に使用されている主要成分・素材から、H・Bフーズをマーケティング上の分類をすると下表のようになる。
部位訴求効能対象となる関与成分・素材備考
全身滋養・強壮高麗人参、ローヤルゼリー、ニンニク、スッポン、マカ、深海鮫エキス、冬虫夏草など医薬部外品は対象外。
局所肝機能改善カキ肉エキス、肝臓エキス、シジミエキス、ウコン、アラニン、オルニチンなど即効性が期待できる二日酔い対策を訴求する商品と、継続使用による滋養・強壮的な肝機能改善効果を訴求する製品を対象とする。2011年版よりアラニン、オルニチンを対象に加えた。2020年版より「ゴマエキス」は「抗酸化・抗加齢」に移行した。
全身美容効果コラーゲン、ヒアルロン酸、ムコ多糖類、乳由来成分、プラセンタ、アスタキサンチン、プロテオグリカンなど2010年版よりプラセンタ、アスタキサンチンを、2018年版よりプロテオグリカンを対象に加えた。
2013年版よりビタミンC・B群などビタミン含有商品を「マルチバランス」に移行した。
局所整腸効果食物繊維、オリゴ糖、アロエ、プルーン、乳酸菌、ビフィズス菌など食物繊維含有商品については、低カロリーもしくは満腹感を訴求するものは「ダイエット」の項目に含め、この項目では、整腸効果のみを訴求する商品を対象とする。
全身ダイエット食物繊維・マンナン、プロテイン、ギムネマ酸、ガルシニア・カンボジア、新甘味料、食事型カロリー調整食品、カプサイシン、キトサン、酵素、アミノ酸など従来、本項対象であった糖尿病予防訴求の商品は「生活習慣病予防」の項目に含め、本項では対象外とする。2008年版よりセットタイプの食事型カロリー調整食品を対象に加える。
2013年版より酵素を対象成分として加えた。2015年版よりこんにゃく米を対象に加えた。2018年版よりスポーツシーンなどにおけるタンパク質やアミノ酸補給を目的とした商品を、「栄養バランス」から移行した。2019年版よりアミノ酸補給を目的とした商品を「マルチバランス」から移行した。2020年版よりタンパク質・アミノ酸補給を「スポーツサポート」市場として独立させた。
全身スポーツサポートプロテイン、アミノ酸など2019年版まで「ダイエット」市場のタンパク質・アミノ酸補給として捉えていたが、2020年版より「スポーツサポート」として新設した。
全身生活習慣病予防DHA・EPA、レシチン、α-リノレン酸、イチョウ葉、カテキン、黒酢・香醋、もろみ酢、難消化性デキストリンなどの特定保健用食品成分など2014年版より剤型区分を見直し粉末商品をNo.2の対象とし移行した。「中性脂肪値・コレステロール値改善」において難消化性デキストリンを追加した。
2020年版より核酸、コエンザイムQ10、レスベラトロール、ポリフェノールを「抗酸化・抗加齢」に移行した。
全身抗酸化・抗加齢ゴマエキス、核酸、コエンザイムQ10、レスベラトロール、ポリフェノールなど2020年版より追加した。「肝機能改善」よりゴマエキスを、「生活習慣病予防」より核酸、コエンザイムQ10、レスベラトロール、ポリフェノールを移行し当市場の対象とした。
全身血行促進ビタミンE、生姜、シトルリン食用油としての植物油や、植物油原料の調味料類は対象外とする。2013年版より新成分として生姜、シトルリンを加えた。
全身免疫対策乳酸菌類、カロチノイド類(α、β-カロチンなど)、霊芝、プロポリス、アガリクス、エキナセア、甜茶エキス「β-カロチン」の実績にはα-カロチンなど他のカロチノイド商品も含んだ実績として捉える。甜茶エキス配合商品のうちリーフ、ティーバッグの「お茶」は対象外とする。
2022年版より免疫賦活作用から訴求効能名を変更した。
全身栄養バランスプロテインなど2010年版より「グリーンチャージ」市場を新設し、クロレラ、スピルリナを移したため、「栄養バランス」市場の対象から外している。この品目再編によりビール酵母はマルチバランスへ移している。
全身骨・関節・筋肉サポートカルシウム、CPP、ビタミンD、グルコサミン、大豆イソフラボンカルシウムを添加・強化していても、骨強化がメインコンセプトとならない商品や乳幼児食品などは対象外とする。
全身覚醒効果カフェイン、メントールビタミンC訴求は、ビタミンC独特の酸味による刺激で覚醒効果を訴求するもののみを本項の対象とする。
全身貧血予防・改善鉄分(ヘム鉄、非ヘム鉄)
局所喉の不快感除去ハーブ・ミント系、メントール系など
局所オーラルケアパラチノース、キシリトール、リカルデント、POs-Ca、乳酸菌類、フラボノ系、クロロフィル系、ハーブ・ミント系、シャンピニオンエキス、ローズエキス等のフレグランス系など2019年版まで虫歯予防、エチケットとして捉えてきたが、2020年版より口腔ケア商品も対象とし、市場名を「オーラルケア」に改めた。
局所アイケアブルーベリーエキス、カシス、DHA、ルテインなどブルーベリーエキス配合商品は、視覚改善作用を訴求した商品のみを本項対象とする。
全身マルチバランスマルチビタミン、マルチミネラル、アミノ酸、ビタミンC・B群など(ビタミン・ミネラル・アミノ酸・クエン酸・大豆ペプチドなどをバランスよく配合した商品)2010年版より「グリーンチャージ」市場を新設し、青汁を移したため、「マルチバランス」市場の対象から外している。また、この新設に伴い、ビール酵母を対象に加えている。
2013年版より「美容効果」に含めていたビタミンC・B群含有商品を「マルチバランス」対象に移行した。
ビタミンC含有商品については、美容効果を直接的に訴求する商品及びビタミンC補給を明確に訴求する商品を対象とし、従来からある飲料などにビタミンCを添加しても機能訴求を行っていないものは対象外とする。
2014年版よりナトリウムを強化した熱中症対策訴求商品を加えた。
全身ホルモンバランスザクロ、ガウクルア、ノコギリヤシ、大豆イソフラボン
全身ストレス緩和・睡眠サポートセントジョーンズワート、テアニン、GABA、バレリアン、グリシンなど2008年版よりGABA及び睡眠訴求商品を対象に加えた。
全身グリーンチャージ青汁、クロレラ、スピルリナ、野菜粒、ミドリムシ(ユーグレナ)2010年版より“グリーンフーズ”とも称されるビタミン・ミネラルなど各種栄養成分の補給、バランス維持を訴求した成分を「グリーンチャージ」市場として再編した。また、新成分として野菜粒を対象に加えた。
2014年版より剤型区分を見直し、粉末商品をNo.2の対象とし移行した。
2015年版より新成分としてミドリムシ(ユーグレナ)を対象として加えた。

4.チャネル分類の定義
チャネル定義
通信販売テレビ、PC等のデジタル媒体及びカタログ等の紙媒体を主媒体とし、メーカーが一般消費者に向けて代理店、流通企業を通さずダイレクトに商品を販売している直販分。
※仮想ショッピングモールへ出店している場合はメーカーの自社通販分として通信販売に含む。
通販企業向け卸メーカーがプラットフォーム企業と直接ないし卸を通じて取引し、プラットフォーム企業の在庫として消費者に直販するルートを示す。ネット通販を運営する楽天(楽天市場)やアマゾン ジャパン(Amazon.co.jp)、アスクル(LOHACO)等が該当する。
※メーカーが代理店、流通企業を通さず通販企業へ直接卸しているケース、および代理店、流通企業を通す場合であってもメーカーがプラットフォーム企業向けとして把握している実績分を対象とする。
訪問販売事業者及び役務提供事業者(ディストリビューター)が消費者の自宅など営業所等以外の場所で商品の販売を行うケースを対象とする。キャッチセールス、アポイントメントセールスを含む。
薬局・薬店薬局ないし店舗販売業の許可を得ている販売店。ドラッグストアを含む。
量販店SM、GMSを含む。
CVS飲食料品を扱い、売り場面積30平方メートル以上250平方メートル未満、営業時間が1日で14時間以上のセルフサービス販売店(経済産業省の定義に基づく)を対象とする。
その他自動販売機、百貨店、菓子・パン店、スポーツ用品店、牛乳販売店(宅配)、健康食品専門店、バラエティショップ、ディスカウントショップ、生協、メーカー直営店などを含む。


【B 「保健機能食品制度」とH・Bフーズの位置付け】

1.「保健機能食品制度」の概要

(概要図)
<保健機能食品の表示の基本的な考え>
(1)国の栄養目標及び健康政策に合致したものであること。
(2)栄養成分の補給・補完あるいは特定の保健の用途に資するもの(身体の機能や構造に影響を与え、健康の維持増進に役立つものを含む)であることを明らかにするものであること。
(3)表示の科学的根拠が妥当なものであり、かつ、事実を述べたものであること。
(4)消費者への適切な情報提供の観点から、理解しやすく、正しい文章及び用語を用い、明瞭なものであること。
(5)過剰摂取や禁忌による健康危害を防止する観点から、適切な摂取方法を含めた注意喚起表示を義務付けること。
(6)食品衛生法、健康増進法、薬機法等の法令に適合するものであること。
(7)医薬品等と誤認しないよう、保健機能食品(栄養機能食品あるいは特定保健用食品)である旨を明示するとともに、疾病の診断、治療又は予防に関わる表示をしてはならないこと。

① 2001年4月より保健機能食品制度がスタートした。従来からある特定保健用食品と栄養機能食品が対象となり、一定の基準を満たした製品について、国の定めた統一表示が許可されることになった。
② 保健機能食品は、消費者への適切な情報提供/過剰摂取や禁忌による健康被害を防止のため“栄養成分の表示”“注意喚起表示”行うことで消費者が安全に対象商品を摂取出来ることを目的としている。
③ 個別評価型の特定保健用食品では、審査基準などが厳しくなったものの、「血圧を正常に保つことを助ける食品」「便通を良好にする食品」など、従来と比較してより直接的な表示が可能となった。また、対象商品は通常の食品形態だけでなく、形状を問わない全ての食品が対象となっている。
④ 規格基準型の栄養機能食品では、対象となる栄養成分が基準を満たしていれば、栄養機能表示が可能になる。ただし、特定保健用食品のように国による個別審査を受けた商品ではないことや用法・用量など注意喚起表示が必要となる。
⑤ 2005年に改正された制度により規格基準型特定保健用食品には難消化性デキストリン、ポリデキストロース、グアーガム分解物、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖が関与成分として認められている。また、疾病リスク低減型の特定保健用食品としてカルシウム、葉酸が認められている。
⑥ ハーブに関しては、規格基準型の栄養機能食品には含まず、個別評価型の特定保健用食品で対応している。
⑦ さらに2015年4月に施行された機能性表示食品の制度では、国ではなく企業等の責任おいて科学的根拠のもとに機能性を表示することが可能となり、容器包装への表示については「機能性関与成分名」「1日摂取目安量」「栄養成分の量」などと共に「機能性表示の内容」を記載できるようになった。

2.栄養機能食品の定義
<栄養機能食品表示許可基準>
名称栄養機能表示上限値下限値
<ビタミン類>
ナイアシンナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。60mg3.9mg
パントテン酸パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。30mg1.44mg
ビオチンビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。500μg15μg
ビタミンAビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
600μg231μg
ビタミンB1ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。25mg0.36mg
ビタミンB2ビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。12mg0.42mg
ビタミンB6ビタミンB6は、タンパク質からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。10mg0.39mg
ビタミンB12ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける栄養素です。60μg0.72μg
ビタミンCビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です。1,000mg30mg
ビタミンDビタミンDは、腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。5.0μg1.65μg
ビタミンEビタミンEは、抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守り、細胞の健康維持を助ける栄養素です。150mg1.89mg
葉酸葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。200μg72μg
ビタミンKビタミンKは、正常な血液凝固能を維持する栄養素です。150μg45μg
<ミネラル類>
カルシウムカルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です。600mg204mg
鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。10mg2.04mg
亜鉛亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。
亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
亜鉛は、タンパク質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です。
15mg2.64mg
銅は赤血球の形状を助ける栄養素です。
銅は、多くの体内酵素の正常な働きと骨の形成を助ける栄養素です。
6mg0.27mg
マグネシウムマグネシウムは骨と歯の形成に必要な栄養素です。
マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素です。
300mg96mg
カリウムカリウムは正常な血圧を保つのに必要な栄養素です。2,800mg840mg
<その他>
n-3系脂肪酸n-3系脂肪酸は皮膚の健康維持を助ける栄養素です。2.0g0.6g
① 「栄養機能食品」は、商品に配合した成分が上記配合基準を満たしていれば、それぞれについて上表の栄養機能表示が可能となる。又、特定保健用食品と異なり規格基準型の制度であるため、栄養機能表示をする場合、消費者庁の許可は必要としない。
② 尚、行政側の動向としてこれまで規格基準に設定されていなかったn-3系脂肪酸、カリウム、ビタミンKが2015年4月より新たに追加された。

3.特定保健用食品の定義
① 「特定保健用食品」は、健康増進法及び同施行規則などの下で、食生活において特定の保健の目的で摂取する者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品である。
② 法規制との関連では、特定保健用食品の保健の用途及び安全性等の審査に関しての審査申請書が健康増進法施行規則に基づかなければならず、又、特定保健用食品の表示許可に関しても同法及び「保健機能食品制度」の規定に基づきそれぞれ管轄されている。

4.「保健機能食品」とH・Bフーズの関係

<概念図>
① 「保健機能食品」は、2015年3月まで特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品で構成されていた。トクホは全てがH・Bフーズの範疇(対象)に含まれるが、栄養機能食品に関しては、一部はH・Bフーズの対象外となり、H・Bフーズの範疇に含まれる栄養機能食品であっても、メインコンセプト(訴求)が栄養機能表示と合致しない商品については、コンセプトを優先した分類を本資料では行っている。
(例)ウコン訴求のサプリメントでビタミンB・Cの栄養機能表示を行っている場合は、ウコン訴求のH・Bフーズとして捉え、ビタミンB・C(マルチビタミン)訴求のH・Bフーズとしては対象外とする。
② 特定保健用食品の場合、制度自体が機能性訴求を前提にした制度であるため、許可商品のメインコンセプトは当然特定の機能訴求であり、機能を切り口に市場をまとめるH・Bフーズの概念になじみやすく、本資料においても、原則的に全てのトクホはH・Bフーズの範疇に含まれるものとなる。
③ 一方、栄養機能食品の場合、一定の成分含有量(基準量)を満たせば栄養機能表示が可能であるため、商品の機能コンセプトとは無関係に栄養機能表示が行われる可能性があり、実際、乳酸菌飲料でビタミンCの栄養機能表示が行われるなどの事例が見られる。従って、機能を切り口に市場をまとめるH・Bフーズの概念になじみにくい制度であるといえ、本資料においては、あくまで機能コンセプトを有するかどうかを「H・Bフーズ」の対象に入れるかどうかの判断基準とし、栄養機能食品であるかどうかに関しては問わないものとする。
④ 政府の規制改革実施計画に基づき、企業等の責任において科学的根拠をもとに機能性を表示できる新たな方策として消費者庁で検討会が重ねられ、2014年7月に報告書がまとめられた。この指針に基づき2015年4月に機能性表示食品制度が施行された。機能性表示食品は保健機能食品に含まれることとなった。
⑤ 本資料では機能性表示食品=H・Bフーズ(ただし生鮮食品、PBを除く)として捉えており、2016年版からは機能性表示食品が発売された訴求効能において、機能性表示食品としての市場規模を収載している。
 
 
 
目   次
 
..
はじめに.
.
..
調査概要.
.
 
..
Ⅰ. 総合分析編.
.
....
A.H・Bフーズの定義.
.
3
 
....
B.「保健機能食品制度」とH・Bフーズの位置付け.
.
8
 
....
C.健康志向食品の市場構造(マーケット分析:No.2のまとめ).
.
12
......
1.市場総括.
.
12
......
2.訴求効能別市場特性.
.
15
........
1) 市場規模推移.
.
15
........
2) 訴求効能別・種類別構成比.
.
16
........
3) 訴求効能別・販売チャネル別構成比.
.
17
......
3.種類別市場特性.
.
23
 
 
..
Ⅱ. 品目編.
.
....
1.滋養・強壮.
.
27
....
2.肝機能改善.
.
37
....
3.美容効果.
.
45
....
4.整腸効果.
.
57
....
5.ダイエット.
.
70
......
-a. 食事代替ダイエット.
.
75
......
-b. ダイエット・その他.
.
79
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6.スポーツサポート.
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88
....
7.生活習慣病予防.
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97
......
-a. 中性脂肪値・コレステロール値改善.
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104
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-b. 血糖値改善.
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118
......
-c. 高血圧予防.
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126
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-d. 認知機能サポート.
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135
......
-e. 生活習慣病予防・その他.
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143
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8.抗酸化・抗加齢.
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152
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9.血行促進.
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157
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10.免疫対策.
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164
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11.栄養バランス.
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172
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12.骨・関節・筋肉サポート.
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179
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13.覚醒効果.
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190
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14.貧血予防・改善.
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197
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15.喉の不快感除去.
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204
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16.オーラルケア.
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210
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17.アイケア.
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218
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18.マルチバランス.
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225
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19.ホルモンバランス.
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234
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20.ストレス緩和・睡眠サポート.
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240
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21.グリーンチャージ.
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250