『2020 次世代電池関連技術・市場の全貌』
-全固体電池をはじめとする次世代電池・材料・プロセス・応用製品を徹底調査-
①注目が高まる「全固体電池」、LIBからの代替を目指す「非リチウム系二次電池」、現行のLIBから派生した「新型リチウム二次電池」を対象に、次世代電池市場・技術を徹底調査
②次世代電池と関連する材料、アプリケーション、製造プロセスを総合分析
③次世代電池で採用が期待されるキーマテリアルと種類別の製造フローを調査、既存材料市場への影響を分析
④日系企業、海外企業における次世代電池関連技術に対する取り組みを整理
次世代電池
(全固体電池)
1.硫化物系全固体電池
2.酸化物系全固体電池
3.高分子系全固体電池
4.錯体水素化物系全固体電池
(非リチウム系二次電池)
1.金属空気二次電池
2.ナトリウムイオン二次電池
3.カリウムイオン二次電池
4.マグネシウム二次電池
5.フッ化物イオン二次電池☆
6.有機二次電池☆
7.バイポーラ型鉛蓄電池☆
(新型リチウム二次電池)
1.全樹脂電池☆
2.クレイ型電池☆
3.グラフェン電池☆
4.イオン液体採用電池☆
5.高濃度電解液採用電池☆
6.リチウム硫黄電池(Li-S電池)☆
7.Si系負極採用電池☆
8.金属Li負極採用電池☆
【調査項目】
※☆印の調査品目については、簡易個票となっている(1・2・5・8・9を中心に記載)
1.製品定義
2.製品特性
3.技術開発の方向性
4.市場予測
5.ターゲットアプリケーション
6.価格・コスト
7.ロードマップ
8.研究開発機関・企業一覧
9.研究開発機関・企業動向(日本)
10.研究開発機関・企業動向(海外)
次世代電池材料
1.電解質
2.正極活物質
3.負極活物質
4.セパレータ
5.バインダ
6.集電体
【調査項目】
1.現行LIBにおける代表的な材料、特性
2.次世代有望材料の概要
3.全固体電池における採用動向
4.非リチウム系二次電池における採用動向
次世代電池応用製品
1.自動車
2.定置用電力貯蔵システム
3.小型民生用途/その他有望用途☆
【調査項目】※☆印の調査品目のみ、1・2・5を記載
1.製品定義
2.応用製品と採用電池
3.応用製品市場規模推移予測
4.応用製品向け電池市場規模推移予測
5.次世代電池の採用可能性
各年の数値は年次ベース(1月~12月)とする。また、市場規模などの数値データは世界市場を対象とする。
弊社専門調査員による対象先(参入企業など)に対する直接面接取材を基本に、一部電話ヒアリングを実施した。
2020年7月~2020年10月
株式会社富士経済 環境・エナジーデバイスビジネスユニット
・当調査資料中の構成比は端数処理の関係上、各項目の合計が必ずしも100%とならない場合がある。
・当調査資料中のCAGR(年平均成長率)は明記がない限り、対前掲年次と対象年次までの値を元に算出する。
・当調査資料の数量、金額は生産出荷ベースであり、特に出典の明示がない限り、数値は取材に基づいた富士経済推定値である。
・当調査資料の市場規模には、電池メーカー各社の内製分も含めている。
・イオン伝導度の単位(Scm-1)は省略しているケースがある。
・以下の略記を用いて表記する場合がある。
・本文中などで各企業の商品名・ブランド名を記載する場合は、それが登録商標であるなしにかかわらず、原則として商品名の前後に「」を付して表記し、?などの表示は、煩雑さを避けるため、全て省略している。
・外貨は、以下のレートで日本円に換算している。
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単位:円 |
年 | 米ドル USD | ユーロ EUR | 中国人民元 RMB(CNY) | 韓国ウォン KRW |
2019年 | 109.0 | 122.0 | 15.8 | 0.094 |
2020年以降 | 108.8 | 120.2 | 15.5 | 0.092 |
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略記 | 名称 | 略記 | 名称 |
全固体電池 | 全固体型リチウム二次電池※ | LCO | コバルト酸リチウム |
LIB | リチウムイオン二次電池 | LMO | マンガン酸リチウム |
xEV | HEV,PHEV,EVの総称 | NMC | 三元系(LiNiMnCoO2) |
HEV | ハイブリッド車 | LNO/NCA | ニッケル酸リチウム |
PHEV | プラグインハイブリッド車 | LFP | リン酸鉄リチウム |
EV | 電気自動車 | LTO | チタン酸リチウム |
ESS | 電力貯蔵システム | PTFE | ポリテトラフルオロエチレン |
IoT | モノのインターネット | PP | ポリプロピレン |
MLCC | 積層セラミックコンデンサ | PE | ポリエチレン |
PT | パワーツール | PVA | ポリビニルアルコール |
LLTO | La0.51Li0.34TiO2.94 | PAN | ポリアクリロニトリル |
LAGP | Li1.5Al0.5Ge1.5(PO4)3 | PVDF | ポリフッ化ビニリデン |
LLZO | Li7La3Zr2O12 | NMP | N-メチル-2-ピロリドン |
LIPON | Li2.9PO3.3N0.46 | SBR | スチレンブタジエンゴム |
LATP | Li1.3Al0.3Ti1.7(PO4)3 | PC | プロピレンカーボネート |
PEO | ポリエチレンオキシド | EC | エチレンカーボネート |
LiFSI | リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド | TEGDME | トリエチレングリコールジメチルエーテル |
LiTFSI | リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド | DMSO | ジメチルスルホキシド |
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※非リチウム系でも全固体電池開発事例はあるが、社会通念上リチウム系を指すことが多く当調査資料では上記略記とする
■5V級正極
現行のLIBで採用される正極材料の放電電圧は3Vや4Vであるが、これを5Vまで高めることができる正極材料を指す。当材料を用いることでLIBの放電電圧を高め、高容量化を実現できる。
■AD法(エアロゾルデポジション法)
ガスと混合した微粒子を減圧下でノズルから噴射し、エアロゾルジェットとして基板に衝突させ、膜を形成する技術。金属、ガラス、プラスチックなどのさまざまな材質の基板上に、緻密かつ高密着強度のセラミックス膜を常温下で形成することができる。
■Cレート
電池の全容量を1時間で放電させるだけの電流量であり、この場合は1Cレートと表す。例えば2,000mAhのLIBの場合、Cレートが1Cの場合、放電電流は2,000mAで放電時間は1時間。同じく0.2Cの場合、放電容量は400mA、放電時間は5時間。2Cの場合、放電電流は4,000mA、放電時間は0.5時間。
■FZ法(フローティングゾーン溶融法)
単結晶成長方法の一つである。るつぼを使用しないことから、るつぼ材の混入がないことや、溶融帯が局所的なため、条件を検討することで、高い揮発性を有する材料でも単結晶成長が可能となる。
■Liイオン伝導度
電解質中を電子の代わりにイオンが動いて電気を伝える性質をイオン伝導性と呼び、その伝えやすさを示す指標をイオン伝導度と呼ぶ。単位はS/cm(Scm-1)で、単位長さ当たりの電気抵抗の逆数[S:ジーメンス]で表される。この値が大きいほど(マイナス以下の数値が小さいほど)イオン伝導性が良いとされ、現行の有機溶媒系電解液が10-2 Scm-1程度、硫化物系固体電解質で10-4~10-2Scm-1程度とされる。
■Liイオン輸率
電池系内における全てのイオン種の移動において、Liイオンが移動する割合。系内を移動するイオンが全てLiイオンである場合には1となり、シングルイオン伝導とも呼ばれる。
■NASICON型
NASICON型結晶構造とは、M2(XO4)3(M:遷移金属、X:S、P、As、Mo、Wなど)で表される化合物であり、MO6八面体とXO4四面体が頂点を共有して3次元的に配列した構造をもつ。この構造は結晶構造中に大きな空隙、ボトルネックをもつことが多いため、LiイオンやNaイオンなどのカチオンのホスト材料になり得る。
■SEI
Solid-Electrolyte Interphaseの略。負極表面の被膜。
■アニオン
負に荷電したイオン、陰イオンとも呼ばれる。
■アニオン移動型電池/カチオン移動型電池
カチオン移動型電池とは現行のLIBのようにLi+などのカチオンが移動して電池反応が進行する電池の総称。これに対して、アニオンが移動して電池反応が進行する電池をアニオン移動型電池と総称し、水酸化物イオン伝導性を示す水系電解液を用いる亜鉛空気二次電池などがこれに属す。
■アモルファス
原子配列が規則的ではなく、結晶構造ではない状態。
■イオン液体
液体で存在する塩のことであり、低融点溶融塩などとも呼ばれる。
■インターカレーション
層状構造を持つ化合物に、化学種を層間に取り込む反応のこと。
■エレクトロスピニング法
ポリマー溶液に高電圧を加え、直径数nmのナノファイバーを得る技術。
■オリビン型正極活物質
六方密充填酸素骨格を持つ結晶構造の一つ。天然のカンラン石(英名:オリビン)がこの構造をもつことからオリビンと呼ばれる。
■ガーネット型
一般的に、A3B2C3O12 の組成式で表され、立方晶の構造をもつ化合物。ガーネット型結晶構造を有する代表的な固体電解質のLLZOでは、AサイトをLa3+、BサイトをZr4+、C サイトと格子間位置をLi+が占有する。
■カチオン
正に荷電したイオン、陽イオンとも呼ばれる。
■カチオンミキシング
Liサイトへの、その他金属イオンによるサイト交換現象。電池の反応では特にNiを多く含む材料で発生し、その原因はLiイオンのイオン半径と2価のNiイオンのイオン半径とが近い値を有するためと考えられている。Li含有遷移金属酸化物(正極活物質)においてLiサイト占有率が低下するため、充放電時に吸蔵放出されるLi量が減少し容量密度の低下につながる。
■クーロン効率(充放電効率)
満充電時の充電容量に対する放電電気量の比。クーロン効率が高いほど放電時の損失が少ないことを示す。
■クラーク数
地球の地表付近に存在する元素の割合を重量比で示したもの。
■グラビア印刷法
表面に凸凹の彫刻加工が施されたグラビアロールを液層に浸し、グラビアロール表面の凸凹部に付着した塗工液をドクターブレードで掻き落とし凹部に液を貯め、正確に計量した塗工液を箔に転移させる湿式の薄膜塗工方式。二次電池では正極/負極シート、またはセパレータなどの製造工程で用いられる。
■グローブボックス
外気と遮断された状況下で作業が可能となるように、内部に手だけが入れられるよう設計された密閉容器。
■コンバージョン系負極
遷移金属酸化物ナノサイズ微粒子とLiイオンとのコンバージョン反応を利用した負極活物質。コンバージョン反応は、低電位領域で金属酸化物が解離し、酸化Liと金属微粒子を生じる可逆的反応。多段階の酸化還元反応を経るためインターカレーション系材料に比べて大きな容量を示し、出力特性にも優れるとされる。酸化/還元時の電位差が大きく、充放電時にエネルギー損失が引き起こされるなど課題も多く、実用化には至っていない。
■スクリーン印刷法
必要な画線以外の目をふさいだスクリーン版の上からインクを押し込み、被印刷物にスクリーン版のパターンを印刷する方法。
■スピネル型正極活物質
AB2O4型の無機化合物にみられる結晶構造。
■スプレー熱分解法
加熱基板上に噴霧した液相から固相が析出し、薄膜が堆積されるプロセス。
■ゾルゲル法
金属塩溶液を加水分解させ、水酸化物もしくは水和酸化物を沈殿、その後、熱処理によって酸化物粉体を得る方法。
■ダイコート法
ダイヘッドから塗工液を押し出しながら基材にコーティングする方式。
■デンドライト(樹枝状結晶)
Liイオンの還元反応により負極から金属Liが樹枝状に成長し、これがセパレータを突き破り正極と接触し、内部短絡(ショート)につながる。
■ドクターブレード法
全固体電池において、正極層(正極活物質+固体電解質)を作製する湿式塗工法の一つ。
■ハーフセル
電解質と電極シートから構成される最低限の充放電反応を起こす電池のセル(最小単位)のこと。
■バイポーラ
双極とも呼ばれる。一つの集電体の表裏に正・負極電極を形成。
■バルク型全固体電池
微粒子を積層して得られる全固体電池のこと。
■ファブリケーション
製造/組み立て。
■プリカーサー
出発原料のこと。前駆体とも呼ばれる。
■フルセル
正極シート-電解質-負極シートから構成される最低限の充放電反応を起こす電池のセル(最小単位)のこと。現行LIBでの電池のセル(最小単位)は外装材を備えたものが一般的であるが、全固体電池など研究開発段階の電池では外装材を備えていないものを電池の最小単位(セル)とすることが多い。
■ペロブスカイト型
結晶構造の一種。固体電解質ではNASICON型、ガーネット型ともに有望な系の一つとされる。
■ポリアニオン
結晶構造中にXO4四面体(X = P, S, As, Mo, W,Si など)を有する化合物。酸化還元電位が高く、電気化学的安定性が高いため,ポリアニオン化合物は次世代正極活物質として注目されている。
■メカニカルミリング法(MM法)
金属粉末や合金粉末をアトライターやボールミルなどによりミリング(強撹拌)し、超強加工する方法。
■ロールtoロール
全固体電池では、ロール状に巻いた集電体に活物質を塗布・電極シートを作製しながら、もう一方の作製された電極シートを、貼り合わせて、再びロールに巻き取る方式をいう。
■液系LIB
固体電解質を用いる全固体電池に対して、電解液を用いるLIBのこと。
■液相法
液体状態 (液相) から化合物を合成したり結晶化させたりする方法。
■液相加振法
液相法による合成方法のひとつ。出発原料を溶媒中に溶解し、ポット中で加振することで、前駆体を含む懸濁液(サスペンション)を得られる合成方法。
■可とう性
弾性変形のしやすさ。
■疑似固体電池/半固体電池
固体電解質にゲル状ポリマーやイオン液体などを添加した電解質を用いる電池。電解液を主材として固体電解質を混合した半固体電池などさまざまな手法が検討されている。
■空気極
金属空気二次電池における正極活物質である酸素の反応場となる電極のこと。
■固相法
粉末原料を混合し熱処理することにより、固相から直接化合物を合成させる方法。
■水熱合成法
原料化合物と水の混合物を耐圧容器内で加熱、合成する方法。液相法の一種。
■層状岩塩型正極活物質
骨格が2次元の層状で、その層の隙間にLiイオンが存在する正極活物質。
■電位窓(でんいまど)
酸化や還元により分解しない電気的に安定な電位範囲のこと。
■伝導イオン種
電池や電解質を動くイオンの種類。LIBの場合はLiイオンが伝導イオン種となる。
■溶媒和
LIBの場合、LiイオンがLi塩と有機溶媒で構成された電解液中に放出され、Liイオンの周りを溶媒イオンが取り囲む溶媒和(ソルベーション)という現象のこと。これによりLiイオンは電解液中を移動することできる。
■粒界抵抗
粒界(粒子と粒子の接触界面)の抵抗。
■露点
空気を冷やした時に結露する温度。LIBは水分と反応することで爆発する恐れがあり、低露点(空気を極度に乾燥させた状態)での製造が必要である。
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.. | .. | .. | 4)非リチウム系二次電池タイプ別用途別市場予測 | . |
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.. | .. | .. | 5)次世代電池別アプリケーション普及ロードマップ | . |
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.. | .. | 7. 次世代電池キーマテリアルの既存材料市場への影響(次世代電池材料必要量試算) | . |
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.. | .. | .. | 2)全固体電池市場規模推移(硫化物系/酸化物系) | . |
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.. | .. | .. | 3)硫化物系全固体電池向け材料試算(想定される最大値) | . |
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.. | .. | .. | 4)酸化物系全固体電池向け材料試算(想定される最大値) | . |
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.. | .. | .. | 5)全固体電池向けに展開する主な製造装置メーカー | . |
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