調査概要・目次
調査テーマ
  • 『高齢者向け食品市場の将来展望 2015』
    ~簡便性ニーズが高まる高齢者向け食品市場~
    調査項目
     Ⅰ.総括編
      A.集計分析編
      1. 高齢者向け食品関連市場俯瞰図
      2. カテゴリー別市場動向
      3. 在宅用販売チャネルの取り組み
      4. 病院・高齢者福祉施設数推移
      5. 高齢者食品市場の将来展望
      B.高齢者向け食品を取り巻く環境
      1. 国内人口の高齢化の状況及び将来予測
      2. 要支援・要介護人口の推移及び将来予測
      3. 介護及び医療関連法規の改正内容
      4. 高齢者向け食品市場に関連する分類
      5. 介護食に関する基準
      6. 高齢者世帯の家計消費
     
     Ⅱ.高齢者向け食品編
      1. 流動食
      2. 在宅用やわらか食
      3. 施設用やわらか食
      4. 栄養補給食
      5. 水分補給食
      6. とろみ調整食品・固形化補助剤
      7. 低たんぱく食
      8. 施設用冷凍骨なし魚
     
     Ⅲ.宅配サービス編
      1. 病者・高齢者食宅配
      2. (冷凍弁当通販)
      3. 食材宅配
      4. 生協
      5. 牛乳販売店
      6. 施設向け完成食宅配
     
     Ⅳ.高齢者向け施設給食編
      1. 病院給食
      2. 高齢者福祉施設給食
     
     Ⅴ.高齢者向け施設編
      1. 病院・診療所
      2. 介護保険施設
      3. 有料老人ホーム
      4. グループホーム
      5. サービス付き高齢者向け住宅
      6. デイサービス・デイケア
      7. 小規模多機能型居宅介護
     
     Ⅵ.高齢者施設向け業務用卸編
      1. 高齢者施設向け卸業
     
     Ⅶ.注目チャネル・商品編
      1. 薬局・薬店
      2. 通販

    調査期間
  • 2015年3月~5月
    製作担当者
  • 待鳥由実、井上綾子、飯田直人、西山洋介
    備考
    [本書利用上の注意]
    調査及び算出方法について * 弊社専門調査員による対象企業及び関連企業・団体などへのヒアリングサーベイによる情報収集を行いました。
    * 販売金額は、ヒアリングサーベイをベースに有価証券報告書、団体ならびに各種統計等のオフィシャルデータを参考にしつつ、弊社専門調査員による推定値として算出しました。
    * 各チャネルの数値は但書きがなければ年次(1~12月)を基本とします。
    販売額について * 介護食・病者食編はメーカー出荷ベースですが、その他の卸チャネル編、小売チャネルの取組事例、宅配サービス編、施設給食編は対象事業者の売上ベースとなっております。
    * 販売額が僅少の場合“※”と表記し、実績値が皆無の場合“-”にて表記しています。
    集計表について * 集計用アプリケーションソフトの都合上、構成比等の合計が100.0%になっていない場合があります。
    * 表題品目に( )が付いているものは、他の品目の内数もしくは集計対象外です。
    カテゴリー(品目)分類について * 一部のカテゴリー及び品目については、弊社富士経済が独自に分類している場合があり、この場合は、各種規格制度(JAS制度)や業界通念とは異なる場合があります。
    ※本書で扱う施設の分類および対象
    1)病院等及び高齢者福祉施設関連
    施設名称 施設の特徴 食事サービス
    病院・診療所 病院は、医療施設のうち、医師または歯科医師が医業、歯科医業を行う場所で、患者20名以上の入居施設を有する施設。
    診療所は患者の入院施設を有しないものまたは19人以下の入院施設を有する施設。
    原則として3食の食事、おやつ(疾患により変更有り)提供あり。
    ■ 介護保険3施設
    施設名称 施設の特徴 食事サービス
    介護老人福祉施設
    (=特別養護老人ホーム)
    要介護度3以上、かつ、自宅では介護を受けられない65歳以上の高齢者が対象で、長期的な介護を提供する施設。
    原則として重い病気にならない限り、終身まで入所することが可能。
    日常生活のサポートや、身体機能や健康管理なども行うのが特徴。個室化が進んでいるが、主に相部屋。入所希望者が多く、数ヶ月から数年待たされるのが実情。
    原則として、3食の食事提供とおやつあり。
    介護老人保健施設
    (=老人保健施設)
    要介護度1以上、かつ、入院治療をする必要はないがリハビリ・看護・介護を必要とする65歳以上の高齢者を対象とし、自立支援と家庭への復帰を目指す、病院から自宅への中間的な施設。
    中間的位置付けであるため、入所期間が限られており3ヵ月ごとに在宅復帰できるかどうかの判定が行われる。
    2008年に削減される医療型療養病床の受け皿となる介護療養型老人保健施設(新型老健)が新設された。介護療養型老人保健施設では、従来の介護老人保健施設より医療機能を強化している。
    原則として、3食の食事提供とおやつあり。
    介護療養型医療施設 要介護度1以上の65歳以上の高齢者を対象とした医療施設。
    療養型病床群は長期にわたって療養が必要な人が対象。
    老人性痴呆疾患療養病床は寝たきりではなく、徘徊や攻撃的な行為などの問題行為が認められる慢性的な痴呆性高齢者が対象。
    介護力強化病院は老人専門病院の一つで、通常の老人病院よりも介護サービスが充実しているが、療養型病床群と比較すると、1床あたりの面積は狭い。
    社会的入院の解消のため、2020年度末をめどに、老人保健施設など他の高齢者福祉施設への転換が図られている。
    原則として、3食の食事提供とおやつあり。
    ■ 老人福祉施設等
    施設・サービス名称 施設の特徴 食事サービス
    有料老人ホーム 常時10人以上の高齢者が入所し、民間事業者により運営されている高齢者向け施設。
    サービスはホームによってかなり異なっているのが現状。
    ほとんどの場合個室で、食事や介護サービスなど将来にわたって安心を得られるサービス提供を主とするのが特徴。
    食事サービス付きの施設では、3食、おやつの提供あり。
    デイサービス・デイケア
    (通所介護、介護予防通所介護、認知症対応型通所介護事業所、介護予防認知症対応型通所介護事業所、通所リハビリテーション、介護予防通所リハビリテーション)
    通所介護施設で、デイサービスは機能回復訓練、食事・入浴サービス、レクリエーション活動を行う施設であり、一般の要支援者及び要介護者を対象とした介護予防サービスと、認知症の要介護者を対象にしたサービスがある。
    主に民間参入が可能。
    デイケアは、介護老人保健施設や介護療養型医療施設等にて、理学療法士や作業療法士等による日常動作の訓練を行う施設。
    民間営利企業の参入は認められていない。
    原則として、昼食、おやつの提供あり。
    グループホーム
    (認知症対応型共同生活介護)
    5~9人を単位とした共同住居。要介護度1以上の人であって認知症の症状がある高齢者を対象とし、少人数による共同生活を営むことに支障がないことが要件となる。
    家事などをスタッフや他の利用者と協力して行い、家庭的な環境で生活しながら認知症の進行緩和効果を期待するのが特徴。
    スタッフと共に3食の自炊が原則である。
    小規模多機能型居宅介護 利用者が自立した生活が送れるよう、通い(デイサービス)を中心に短期間の宿泊、訪問介護を組み合わせた地域密着型サービス。
    1事業所当たりの登録定員は29名以下で、1日あたりの通いの利用者は18名以下、宿泊は9名以下とされている。
    通いのサービス、宿泊、訪問介護で同じスタッフによるサービスの提供を受けることができることが特徴であり、高齢者が住み慣れた地域での自立した生活を可能な限り続けるための地域サービスの核になることが役割が期待されている。
    通いの利用者は昼食のみとなるが、泊まりの利用者には夕食及び朝食を提供している。
    サービス付き高齢者向け住宅 65歳以上の単身者及び夫婦世帯が入居する住宅で、1室あたりの床面積は25㎡以上で個室内にトイレ、洗面台、簡易キッチンが設置されているバリアフリーの住宅。
    提供義務のあるサービスは、安否確認、生活相談サービスであり、介護や食事サービスは居住者の希望があれば提供されるオプションサービスである。
    オプションサービスであり、提供しない施設もある。
    2)食関連
    ■ 体制
    用語 内容
    セントラルキッチン(CK) 複数の病院等及び高齢者福祉施設などに対し、常に大量の料理を提供する施設。
    給食業者が有するケースが中心だが、直営でもセントラルキッチンを有する病院等もある。
    形態としては、施設外にセントラルキッチン専用の設備を整備する場合と、病院及び高齢者福祉施設内の中央厨房がセントラルキッチンの機能を有する場合とがある。
    尚、セントラルキッチンからの食材供給を受ける側の施設(及びその厨房)はサテライト(サテライトキッチン)と呼ばれる。
    栄養サポートチーム(NST) Nutrition Support Teamの頭文字の略称。
    低栄養など栄養管理の必要な患者に対し職域を超えて、医師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師・リハビリスタッフ(OT=作業療法士、PT=理学療法士、ST=言語聴覚士)などの専門スタッフと、医療関連の事務スタッフなどがチームとして知識や技術、情報を出し合い、最良の方法を導き出して栄養支援を行うチームのこと。
    ■ 施設厨房内での調理方式・提供方法の説明
    方式 内容
    クックチル 食材を加熱調理後、冷水又は、冷風により急速冷却(90分以内に中心温度3度以下まで冷却)を行い、冷蔵(3度以下)により運搬、保管し、提供時に再加熱(中心温度75度以上で1分間以上)して提供することを前提とした保存方法。
    クックフリーズ 食材を加熱処理後、急速に冷凍し、冷凍(18度以下)により運搬、保管のうえ、提供時に再加熱(中心温度75度以上で1分間以上)して提供することを前提とした保存方法。
    新(型)調理方式 上記の「クックチル」および「クックフリーズ」による調理法式を総括して「新型調理方式」と呼ぶ。
    「真空調理」も新型調理方式とする場合もある。
    凍結含浸法 食材を冷凍して細胞のすき間を広げた後に解凍し、減圧装置の中で食材内部の空気と外部の物質を入れ替える技術であり、細胞と細胞を結ぶペクチンを分解する酵素・ペクチナーゼを染み込ませることで形状を変えずに食材を柔らかくすることが出来る製造方法。
    真空調理
    (真空パック)
    食材を真空包装のうえ低温にて加熱処理後、急速に冷却及び冷凍して、冷蔵及び冷凍により運搬、保管し、提供時に加熱(中心温度75度以上で1分間以上)して提供することを前提とした保存方法。
    オーバーナイトクッキング 夜間など作業終了後に、スチームコンベクションオーブンなどタイマー機能を用いて加熱調理を行う調理方式。無人で済む上、味が浸み込む、食材が柔らかくなり易いなどのメリットがある。
    新クックチル チルド冷蔵と再加熱機能が付いたタイマー付き再加熱カートを用いた食事提供方法。チルド冷蔵機能があるため、朝食を前日のよるセットしておき、朝食時間に温まった状態ですぐ提供できる。
    院外のセントラルキッチンでカートに食事をセットして、チルド冷蔵したまま施設への搬入もできる。
    クックサーブ 施設内厨房で食材を加熱調理後、冷凍又は冷蔵せずに運搬し、速やかに提供することを前提とした提供方法。
    調理後、即入院患者、入居者に提供する。
    ■ 各調理方式に用いる設備・機器等
    方式 調理後 運搬・再加熱
    クックチル ブラストチラー(急速冷却機) スチームコンベクションオーブン
    冷却・再加熱カート
    冷温蔵配膳車
    クックフリーズ ショックフリーザー
    クックサーブ ウォーマーテーブル
    冷温蔵配膳車
    真空調理
    (真空パック)
    ブラストチラー&フリーザー
    真空包装機
    湯煎器
    スチームコンベクションオーブン
    ■ 食事関連
    分類 内容
    常食 健常者が食する食事。特に高齢者向けに配慮された商品設計は行われていない。
    キザミ食 食べ物を噛む力の弱くなった高齢者のために常食を食べやすい大きさに刻んだ食事。
    ミキサー食 キザミ食を食べることが困難な高齢者のために食事をミキサーにかけて噛まずに食べられるようにした食事。
    ソフト食 見た目や味は普通の食事と同じだが、キザミやミキサーなどではなく食べ物をつなぎにして、舌や歯茎で押しつぶせる柔らかさに加工してある食事。
    ムース食 素材や料理を一度ペースト、ミキサー化した後、ムース状に固めたもので、常食と同等の見た目と風味を保ちつつ、安全に咀嚼・嚥下できる食事。
    流動食 嚥下障害等で十分な食事が摂取できない高齢者等が低栄養状態に陥ることを防ぐ高カロリーでビタミンやミネラルを含む液状および粘度の高い食品。濃厚流動食とも呼ばれる。
    特別療養食 医師の発行する食事箋に基づいて、適切な栄養量及び内容を有する食事。
    糖尿病食、腎臓病食、肝臓病食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓病食、高脂血症食、痛風食及び特別な場合の検査食などがある。
    食種 一人ひとりの病状や健康状態に応じて、メニューの提供状況を分ける必要があり、その選択肢を食種という。
    主食の食種を例に挙げると、硬いごはん、軟らかいごはん、全粥、七分粥、五分粥、三分粥、重湯、むすび、パン、麺、等がある。
    粥の種類 全粥=米の5倍の量の水で炊飯する。
    七分粥=米の7倍の量の水で炊飯する。
    五分粥=米の10倍の量の水で炊飯する。
    三分粥=米の20倍の量の水で炊飯する。
    ■ 厨房従事者
    職種 内容 現状
    管理栄養士 厚生労働大臣許可免許であり、自身の専門知識及び専門技術で栄養指導を行う。 介護保険法の栄養管理体制管理加算の対象で、常勤の管理栄養士を1名以上設置することで1日12点加算される。
    病院や高齢者福祉施設ではメニュー決定の権限を握っていることが多い。
    栄養士 都道府県知事の許可免許であり、栄養指導を行う。 入院・外来患者の「栄養指導」を行なうほか、「給食管理」では、入院患者ひとりひとりに合わせた献立の作成から、業者への食材の発注、伝票処理まで食事に係わる全ての作業をこなしている。
    日本糖尿病療養指導士 看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士の資格を有する者に与えられる資格。 糖尿病及びその療養指導全般に関する知識を有し、医師の指導の下で患者に療養指導を行う。
    給食用特殊料理専門調理師 調理師法及び職業能力開発促進法に基づいて設けられた資格。 給食の調理に関する専門性の高い調理技術技能を有しており、給食厨房にて専門調理を行う。但し、栄養士とは異なり施設の必置義務はない。
    調理師 都道府県知事の許可免許であり、調理を行う。 調理師法に基づいて調理の業務に従事する。
    ■ 高齢者によく見られる症状
    症状 内容
    褥瘡
    (床ずれ)
    体の一ヶ所に持続的に圧迫が加わることで、その部分の皮膚の血流が悪くなり、皮膚が壊死することによって起こる皮膚の傷。
    たんぱく質や摂取エネルギーが不足するとなりやすい。
    低栄養状態
    (PEM)
    たんぱく質やエネルギーを必要量摂取できていない状態で、感染症や褥瘡が起きやすい。
    高齢者では嚥下機能の低下や認知症による“食”意識の減退によって起こる。
    ■ 介護従事者
    職種 内容 現状
    介護福祉士 国家資格であり、専門知識や技術により身体上、精神上の障害者に心身の状況に応じた介護を行う。
    また、介護者にも介護に関する指導を行う。
    業務が過酷であることに加え、介護報酬の引上げが行われたものの報酬が低いため離職率が高い。
    介護福祉士不足を補うため、インドネシアなどアジア諸国から介護福祉士の受入が始まっている。
    訪問介護員
    (ホームヘルパー)
    都道府県知事の許可免許であり、訪問介護において、家事援助、身体介護などを行う。
    2級以上を取得すると高齢者福祉施設でも身体介護ができる。
    介護福祉士と同じく、業務が過酷かつ報酬の低さから、離職率が高い。
    特に、身体介護が可能な2級以上の資格保持者が不足している。
    介護支援専門員
    (ケアマネージャー)
    都道府県知事の許可免許であり、介護保険制度において、要支援・要介護認定された高齢者が適切な介護サービスを受けられるように介護サービス計画(ケアプラン)を作成する。 介護保険制度は複雑で、自ら内容を理解し、利用者にも分かり易く伝える必要がある。
    介護保険事業施設、居宅介護支援事務所に勤務する。
    社会福祉士 国家資格。
    心身の障害で日常生活に支障がある人の相談に応じ、適切な福祉サービスを受けられるように助言や援助を行う。
    高齢者福祉・障がい者福祉・児童福祉などの福祉分野で勤務する。
    名称独占の職種で、業務独占ではなく、高齢者福祉施設など施設では設置していない場合もある。
    介護者 在宅で高齢者の介護を行う人。
    ※本書で扱うチャネル・食材等の分類
    ■ 高齢者向け食品販売チャネル
    チャネル 内容
    一般食品販売チャネル 量販店 総合スーパー、食料品スーパーを対象としています。
    但し、食料品以外の専門スーパーは含みません。
    CVS コンビニエンスストア。
    病院内のコンビニエンスストアも含む。
    百貨店 百貨店。
    その他 生協、個人の食料品販売店、牛乳宅配チャネル等、上記に含まれない食品販売チャネル。
    薬局・薬店 ドラッグストアを含む薬局・薬店。
    通販 メーカー自社通販、全病食卸通販、Amazonや楽天などの通販サイトなどインターネット、カタログ、電話による通信販売、テレビショッピングを含む。
    その他 病院売店、介護用品販売・レンタルショップ等、一般食品販売チャネル、薬局・薬店、通販に含まれないチャネル。
    ■高齢者向け食品の分類
    分類 内容






    介護食 流動食 1mlもしくは1g当たり1kcal以上のエネルギーを有し、3大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)をバランスよく含む完全栄養食として捉えられる液体状、ゼリー状のような半固体状の商品のうち、病者への適用を主目的とした食品規格の商品を対象とする。医薬品規格の経腸栄養剤は対象外。
    在宅用やわらか食 加齢や疾病により、通常の食事、食材の咀嚼、嚥下が困難となった場合に提供される予め刻んだキザミ食、ミキサー食、ソフト食、ムース食などのやわらか食のうち、在宅向けの商品。
    施設用やわらか食 疾病や老化により飲食物の咀嚼、嚥下機能が低下した高齢者等に向けて、通常の食事に比べて軟らかさや飲み込みやすさに配慮した食品で、病院や高齢者福祉施設向けに開発されている商品。
    栄養補給食 炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素及び食物繊維の補給を目的に高齢者の咀嚼・嚥下機能に配慮した形態の加工食品。
    水分補給食 嚥下障害のある高齢者向けの水分捕球を目的としたゼリー状、ムース状、粉末タイプの商品を対象とする。なお、大塚製薬工場「OS-1」のPETボトル入りの液体飲料など、液体タイプの商品は高齢者が主要ターゲットでない商品は対象外。
    とろみ調整食品・固形化補助剤 加齢や疾病によって嚥下機能が低下した嚥下困難者向けに飲料や食事にとろみを付けるための商品。
    とろみ調整食品は飲料、汁物にとろみを付けるもの、固形化補助剤はおかゆやきざみ、ミキサー食をまとめる凝集性の高いもの。
    低たんぱく食 腎疾患などでたんぱく制限が必要な患者向けにたんぱく質量を調整した食品。
    施設用冷凍骨なし魚 病院・高齢者福祉施設向けに販売される骨を除去した冷凍の魚。煮付けや塩焼きなど調理済みの商品も含む。
    ■食材の分類
    原則として外食企業が店舗、本社、セントラルキッチンなどで仕入れる段階をカウントの対象とする。
    食  材 対  象  品 非 対 象 品
    青果 野菜、果実、豆類、たけのこ、缶詰(ホールトマトなど)など。生、冷凍、ボイル、乾燥などの形態。原則的に未調理のものを対象とするが、皮むき・カットなどの加工度の低いものは対象とする。 調理済みのもの(煮物、調理したてんぷらなど。サラダとして和えたもの、漬物、豆腐、納豆など。調味料として使用する香草(ハーブ)など。
    魚介類 魚、貝、甲殻類、タコ、魚卵、海藻、のりなど。鮮魚、活魚、冷凍、ボイル、干物、魚介缶詰や、丸、切り身、刺身などの形態。原則的に未調理のものを対象とするが、バッターリング(衣付け)済みなどの加工度の低いものは含む。スモークサーモン、かつおぶしなど。 調理済みのもの(マリネ、油調理したフライなど)。水産練り製品(かまぼこなど)など。
    畜肉 牛、豚、鶏、羊、野禽、鶏卵など。生、冷凍、ボイル、燻製、食肉加工品缶詰(ハム缶詰など)や、枝肉、骨、内臓やハム・ソーセージ、ハンバーグなど。 調理済みのもの(加熱済み焼き鳥、調理した唐揚げなど)。
    油脂・調味料 基礎調味料(塩、味噌など)、調味食品(インスタントカレー、レトルトカレー、缶詰カレー、缶詰デミグラスソース、ふりかけなど)、食用油、トマトケチャップ・トマトペースト、香草(ハーブ)、だしの素、スープ類(インスタント、クッキング、カップ入り、レトルト、缶詰、即席みそ汁など)、がらスープ、バター、みりん、クッキングワイン、料理酒など。 とんこつ、とりがら、かつおぶしなどを入れて自社製造する場合。
    調理済食品 原則的に加工度が高くワンクック(一工程のみの調理)で提供可能なもの。ギョーザ、点心類(春巻、中華まんじゅうなど)、コロッケ、グラタン、ピザ、玉子焼き、茶わんむしなど。完成品であるファストフード(弁当類、サンドウィッチ、おにぎり、惣菜パン)を仕入れて提供する場合(CVSデリカなどの品目は除く)。
    施設向けやわらか食、調理済食品セット(高齢者福祉施設向けに冷蔵・冷凍された調理済食品で、主菜、副菜など1食分がセットされており、ワンクックで調理出来る食品)は含む。
    食材を仕入れて、左記のものを自社製造する場合。
    穀類 白米、玄米などの生米、加工米飯(冷凍米飯、無菌包装米飯、レトルト米飯)、炊飯米など。そば、うどん、パスタ、ラーメンなど。チルドめん、生めん、冷凍めん、乾めん、インスタントめんなどの形態。パン、菓子パン、デニッシュ、ペストリー、パイの一部など。完成品および生地(冷凍、チルド)の形態。
    粉類(小麦粉、パンなど)、小麦加工品(ピザクラスト、ギョーザの皮など)など。
    原則として生米、加工米飯のみを対象とし、具材やおかず入りのものは含まない(CVSデリカなどの品目は除く)。小麦粉、そば粉などを仕入れて麺を自社製造する場合。惣菜パン(サンドウィッチ、ハンバーガー、焼きそばロールなど)、ケーキ、パン粉など。
    乳卵類 ヨーグルト、乳製品、バター、チーズ類、クリーム類、鶏卵など 調理済みの卵製品(卵焼き、オムレツなど)
    菓子・デザート ようかん、まんじゅう、他の和生菓子、カステラ、ケーキ、ゼリー、プリン、他の洋生菓子、せんべい、ビスケット、スナック菓子、キャンデー、チョコレート、チョコレート菓子、アイスクリーム・シャーベットなど。製菓材料、ホットケーキミックス、クッキーミックスなど。
    飲料 果実・野菜飲料、嗜好飲料(リキッドコーヒー、リキッドウーロン茶など)、レギュラーコーヒー、インスタントコーヒー、茶葉(紅茶、緑茶、ウーロン茶など)ティーバッグ、ドリンクヨーグルト、ミネラルウォーター、炭酸水など。ストレート、ディスペンサー用コンクなどの形態。缶、PETボトル、紙容器、タンク、バッグインボックスなどの容器。 果実・野菜などを仕入れて自社でジュースとして製造する場合。牛乳。
    その他 流動食、栄養補給食、とろみ調整食品・固形化補助、低たんぱく食、アルコール飲料など上記の分類に含まれない食品。
    ■給食サービス委託の実態
    実態 定義
    給食業者委託 施設における厨房での調理、給食業者のCKでの調理作業を給食業者が担当しているケース。
    また、食器洗浄のみの外部委託も含む。
    自家調理 施設側が厨房や施設CKで調理を行っているケース。
    その他 弁当宅配や施設向け完成食宅配を利用しているケース。
     
     
     
    目   次
     
    ..
    Ⅰ.総括編.
    .
    1
    ....
    A.集計分析編.
    .
    3
    ......
    1.高齢者向け食品関連市場俯瞰図(2015年見込).
    .
    3
    ......
    2.カテゴリー別市場動向.
    .
    5
    ......
    3.在宅用販売チャネルの取り組み.
    .
    7
    ......
    4.病院・高齢者福祉施設数推移.
    .
    8
    ......
    5.高齢者食品市場の将来展望.
    .
    10
    ....
    B.高齢者向け食品を取り巻く環境.
    .
    12
    ......
    1.国内人口の高齢化の状況及び将来予測.
    .
    12
    ......
    2.要支援・要介護人口の推移及び将来予測.
    .
    14
    ......
    3.介護及び医療関連法規の改正内容.
    .
    18
    ......
    4.高齢者向け食品市場に関連する分類.
    .
    23
    ......
    5.介護食に関する基準.
    .
    25
    ......
    6.高齢者世帯の家計消費.
    .
    29
     
     
    ..
    Ⅱ.高齢者向け食品編.
    .
    31
    ....
    1.流動食.
    .
    37
    ....
    2.在宅用やわらか食.
    .
    43
    ....
    3.施設用やわらか食.
    .
    50
    ....
    4.栄養補給食.
    .
    57
    ....
    5.水分補給食.
    .
    63
    ....
    6.とろみ調整食品・固形化補助剤.
    .
    68
    ....
    7.低たんぱく食.
    .
    74
    ....
    8.施設用冷凍骨なし魚.
    .
    80
    ......
    事例1.キユーピー.
    .
    84
    ......
    事例2.クリニコ.
    .
    85
    ......
    事例3.日清オイリオグループ.
    .
    86
    ......
    事例4.ニュートリー.
    .
    87
    ......
    事例5.ハウス食品.
    .
    88
    ......
    事例6.フードケア.
    .
    89
    ......
    事例7.マルハニチロ.
    .
    90
    ......
    事例8.明治.
    .
    91
     
     
    ..
    Ⅲ.宅配サービス編.
    .
    93
    ....
    1.病者・高齢者食宅配.
    .
    98
    ....
    2.(冷凍弁当通販).
    .
    103
    ....
    3.食材宅配.
    .
    108
    ....
    4.生協.
    .
    113
    ....
    5.牛乳販売店.
    .
    118
    ....
    6.施設向け完成食宅配.
    .
    124
    ......
    事例1.らでぃっしゅぼーや.
    .
    129
    ......
    事例2.森永乳業.
    .
    131
    ......
    事例3.シニアライフクリエイト.
    .
    133
    ......
    事例4.シュガーレディ本社.
    .
    135
    ......
    事例5.生活協同組合コープこうべ.
    .
    137
    ......
    事例6.生活協同組合ユーコープ.
    .
    139
    ......
    事例7.ナリコマエンタープライズ.
    .
    141
     
     
    ..
    Ⅳ.高齢者向け施設給食編.
    .
    143
    ....
    1.病院給食.
    .
    146
    ....
    2.高齢者福祉施設給食.
    .
    150
     
     
    ..
    Ⅴ.高齢者向け施設編.
    .
    155
    ....
    1.病院・診療所.
    .
    163
    ....
    2.介護保険施設.
    .
    172
    ....
    3.有料老人ホーム.
    .
    181
    ....
    4.グループホーム.
    .
    188
    ....
    5.サービス付き高齢者向け住宅.
    .
    195
    ....
    6.デイサービス・デイケア.
    .
    202
    ....
    7.小規模多機能型居宅介護.
    .
    212
     
     
    ..
    Ⅵ.高齢者施設向け業務用卸編.
    .
    219
    ....
    1.高齢者施設向け卸業.
    .
    221
    ......
    事例1.尾家産業.
    .
    227
    ......
    事例2.白石商店.
    .
    229
    ......
    事例3.療食サービス.
    .
    231
    ......
    事例4.渡辺商事.
    .
    233
     
     
    ..
    Ⅶ.注目チャネル・商品編.
    .
    237
    ....
    1.薬局・薬店.
    .
    239
    ....
    2.通販.
    .
    243
    ......
    事例1.ヘルシーネットワーク.
    .
    247
    ....
    3.注目素材:豆乳クリーム・低脂肪豆乳.
    .
    250